協力医師

とみもと小児科クリニック 院長 冨本和彦先生 https://tomimoto.jp/

 

子どもたちには持って生まれた個性があり、育つ環境も様々です。発達も様々で、ふつうに定型発達をする子もいますし、でこぼこに発達する子もあり、一人一人が同じではありません。しかし、社会はみんな同じようにできることを要求します。

例えば足に障害があるのが明らかな人を考えてみて下さい。その人が速く走れないことを誰もなじったりしません。歩けないなら義足や車いすも準備するでしょう。これらを用いて、たまにパラリンピックでメダリストになったりもします。公共施設のバリアフリー化も進んできました。体に障害があっても、社会がそのことを理解して受け入れることで、また、本人もできる範囲で社会に参加することで、人生を輝かしいものにすることができます。外見上、障害がはっきり見えていれば、成熟した社会は手を差し伸べてくれます。翻って「発達の障害」は目に見えません。最近になって認知が進んできたとはいえ、まだ十分には理解されておらず、社会的支援も不十分です。足に障害のある人が支援もなしに「ふつうに走れ」と言われれば、ひどく落ち込むことでしょう。発達の問題を抱えている子は、周りが理解してくれなければ、その葛藤から生きづらさに直面することになります。

発達に凸凹のある子どもの社会参加を進めるためには、まず子ども自身が自分の特性を理解し、社会参加のスキルを習得すること、また、ご両親をはじめ周りの大人がその対応に習熟することが必要です。八戸地域ではまだこのようなことを教える施設は不充分で、急増するニーズを満たしているとは言い難い状況です。今回、児の発達支援を行う施設として誕生した「つぐみの丘」にも期待しています。

 

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